リリー・フランキーがテレビ番組で井上陽水に尋ねて言った。「人生というとなんだか重たくなるけど、ライフというと明るく軽くなりますね。あれは不思議ですね」と。同じ意味でも日本語だと重たく感じるが、英語だと軽く感じるよね?と同意を求めたのだ。

すると陽水は「あの・・、ライフってどういう意味ですか?」と聞き返した。リリー・フランキーはギョッとして「人生という意味だと思いますけど・・・」と。おそるおそる答える。「ああ、人生ねぇ」と陽水。それで話は終わった。陽水は、わからないから正直に尋ねたのか、わからないふりして人を食ったのか。謎だ。

井上陽水、アンポンタンの極みだ。アンポンタンの達人だ。はっきりとわからないことは、アンポンタンになって、「わからない」と告げよう。相手がアタマで人生とライフの比較論を見事にやってみせても、人生とライフは本当に同じ意味なのか?という、おそれを知らない疑問は、アタマ基準をあっさりとぶち砕く。全き0(ゼロ)になろう。アンポンタンになろう。そうすれば、もっとも強くなれる。気分は楽チンだぞ。

HMU 達弥西心